M&Aは資本と経営を第三者へ承継することだが、いつも難しいと感じるのが、この経営の承継というところである。
資本の承継は株式を譲渡して、対価を得るということで、ある意味完了するわけだが、経営の承継はそう簡単にはいかない。それまで培ってきた実績、営業、社風、やり方、ルールどれ一つをとっても、同じ会社はない中、そこを合わせていく必要があるということだ。
社長がこれまでマネージメントを行ってきたが年齢とともに衰えてきて、しかし社内では経営者が育ってきていない、だからこそM&Aで相手を探す、というわけだが、今の日本国内で譲り受ける側もそんなに優秀な人間が余っているわけではない、というのが実情だ。そうすると譲受側も、望みとしてはその会社の内部から経営者層に昇格させて、人材を育てていきたいと思うわけである。
本来は、事業承継の問題を解決しようと考えてM&Aに取り組んだものの、結局資本の承継はできても、経営の承継に何年もかかるということが起こりうるのである。そしてそれが現実でもあるといえる。
譲り渡す側は、M&Aを検討する際には、常にこのことを考えておかなければならない。そして譲り受ける側としても、事業承継を解決するためにM&Aを検討している先を譲り受ける場合には、この点が問題になってくるということを頭に入れておかなければならないと言えるだろう。







