M&Aの世界では、相乗効果いわゆるシナジーがあるかどうか?といった議論が頻繁にされる。

この「シナジー」。一体どんなものなのだろうか。

大きく「戦略としてのシナジー」「経済的なシナジー」「組織的なシナジー」の3つに分けられると考える。

「戦略としてのシナジー」は、この企業とこの企業が一緒になれば、相乗効果が生まれるのでは無いか?と考えることである。例えば、同業同士のM&Aの場合は、お互いの取引先に対して、お互いの商品を販売することができるといったクロスセルの考え方などである。

「経済的なシナジー」とは、一緒になることで企業価値を高めたり、逆に経費削減などにより相乗効果を出すことである。規模の経済を追い求めて、水平統合していくと、大量仕入れで値段を下げることに成功するといったパターンである。

「組織的なシナジー」は、ここが一番M&Aの中で難しいところでもあり、ここがうまくいくと当初考えていた以上の相乗効果を生む部分でもある。M&A後は従業員の交流や社長とのコミュニケーションを多くする必要があるのだが、その中で新しいフィールドを目指すことができたり、キャリアアップする道ができたりすると、そこで能力を発揮し始める人間が登場し、当初の相乗効果以上に戦略にも経営的にも関与してくれる人がでてくるといったところである。

この3つの観点から相乗効果を考えるのが一つの考え方であるが、実際には「戦略としてのシナジー」「経済的なシナジー」が大きく見込めるにもかかわらず、M&Aが失敗するというケースも多くある。

これはひとえに「人」のところをおろそかにした、企業文化が合わなかった、もしくは合わせることができなかったといったところに起因することが多いのが実情である。

シナジーシナジーと簡単にはいうけれど、実際にやってみると中小企業のM&Aの難しさがここにあるとつくづく感じる。